2010/03/16

この世には不思議なことなど何もないのだよ、ムシゴロウ君

「私と力比べだ」と言うと、先生は私が右手の親指と小指で作った輪を広げようとした。しかし輪は広げられる事はなかった。右手は私の勝ちだ。次に左手の指で力比べ。今度はあっさりと広げられた。「腕上げて、左が短いね」「ほら、こっちは、ここまでしか曲がらない」「今度はどう?」「あれれ?」「え~嘘でしょ」・・・

昨日、合同練習と称して、先々週と同様、のむ太郎氏と幼馴染まもちゃんと共に高尾に行ってきた。前回は雨で陣馬山まで行けなかったのだが、此度は晴天、最高のトレイルラン日和だった。晴天とはいえ山奥は残雪と泥濘んだ道が交互に続く。決してコンディションは良いとは言えないのだけど、泥だらけになって走った方が「トレランしてるぜ」感があって楽しいもんだ。

今回私は、100キロ走り切るために私なりの目標をもって走ってみた。負荷をかけず、常に最大心拍数の60~70%を維持する事を心がけた。これは私がだらだらとLSDをする際の心拍数だ。100キロの長丁場を淡々と走り切るには、LSDの心拍数が妥当なんだろうと判断し、この負荷で山道を走るとどれくらいのペースになるか調べたかったのだ。

約30キロの道で5時間と言う結果だった。約キロ10分だ。一度も休まず100キロを走りきる筋持久力があれば、16時間半ちょっとで走破できると言うことだ。全く現実的ではないね。少なく見積もって+5~6時間はかかるだろうね。

で、消費カロリーはというと、約3000キロカロリーだった。つまり10キロ毎にメガマック1個食わないとハンガーノックになっちゃう計算だ。すごくない?今回、超テキトーな補給食(スニッカーズとかキャラメルとか)と城山でインチキうどんを喰ったのだけど、全然足りなかった事になる。後半3~4キロの足取りの重さは筋肉疲労よりガス欠が原因だったと今は思っている。何故なら、今回のトレランで筋肉痛らしいものが一切ないのだから。

来月の大会の為に今から筋力をつけるのは生物学的に100%無理だ。今から打てる対策は、如何に身体の負担をかけない走りができるか、如何に効率よくエネルギー補給ができるか、にかかってくるんだろうね。フォームの見直しも現実的ではないから、私に残された道は「慣れ」と、良いサポートに巡り会う事だけかも知れない。

ちょっと脱線。ここで面白い数字が並んだのだけど、気づいたかな?30キロメートル300分3000キロカロリー。面白いね。こういう数字に遭遇するとワクワクしちゃうんだよね。100キロメートル1000分10000キロカロリーちゅうことだ。うひゃ~~っ!さあ戻ろう。

トレランの前日、実は面白い体験をしてきた。面白いというより不思議な体験だった。この体験のお陰で、翌日の筋肉痛から逃れられたのかも知れないのだが、まだ断定はしたくない。この不思議な体験の正体はいずれ暴いてやろうと思っている。

2日前、整体に行ってきた。場所と整体院の名前は暫く秘密にしたい。理由は「それ」に対して僅かながら疑心暗鬼が生じているからである。そう。疑念を抱いてしまう様な奇妙な施術をする整体院だった。万人が整体に対して持つのイメージとは全く別のものだ。登記する時「整体」というカテゴリしかなく、仕方なく「整体」を名乗った、そんな事を勝手に想像している。兎に角私の知っている整体とは違うのだ。マッサージでもカイロプラクティクスでもリフレクソロジーでもない。

施術の内容はこうだ。問診し、オーリングチェックをし、軽く触れる。ただそれだけ。所要時間5分。だたそれだけで、私のズレていたらしい腕の長さ、脚の長さが元に戻ったらしい。「らしい」としたのは、私が施術者に「ズレ」を見せられた時、客観的な判断が出来なかったからだ。「ほら、こんなに長さが違う」と言われた時、私は懐疑心より先ず驚いた。「え~っ」と声を上げて驚いてしまった。冷静な私なら、腕の掴まれ方や角度をネチネチと分析しているのだが、あの時はすっかり術中に嵌ってしまい、施術者の意のままに操られていた。(ホンモノかも知れないのだが・・・)

ちょっと纏めてみる。

問診)
どこが痛いのかを問われた。腰の辺り全体と右の頸長筋と答え、更に長距離を走っていると付け加えた。

触診)
オーリングチェックをされた。右のリングは広げられなかったが、左のリングはあっさり広げられた。次に、座ったままの状態で腿を片方上げ、それを施術者が押し戻す触診を受ける。右腿は耐えられたが、左腿はあっさり押し戻された。

施術)
回転する台に乗せられ、腕を伸ばしたり、膝を曲げたりしながら、軽く触れられた。実際に何が行われているか不明。

施術後)
再度、腿上げの触診。今度は両腿とも押し戻されることはなかった。超不思議。

経過1)
施術は朝9時からだったのだけども、その日の昼前には頸長筋の張りは消えていた。

経過2)
トレランの翌日に当たる今日、筋肉痛が一切ない。前回のトレランでは翌日脚全体が筋肉痛で、右脚よりも左脚のダメージが大きかったのだけど、今回は全くなし。

条件が同じではないにせよ、前回よりも長い距離を走っているので、脚にかかった負担は確実に今回の方が大きい筈。なのにダメージはゼロ。突然走力が上がったのか、突然フォームが綺麗になったのか、或いは低負荷で走っていたからなのか、それとも不思議な施術のお陰なのか・・・。

理由は何にせよ、30キロのトレランをして筋肉痛にならないのは嬉しい限りだ。だから、ここは素直に施術の効果として受け入れると精神的に楽なんだろうけど、私の捻くれた脳みそは、そう簡単に現象を受け入れられないんだよね。オーリングチェックと膝上げチェックの信憑性はどうだろうか?始めて体験する変わった施術に対する驚きがプラシーボ効果を生んだ可能性はないか?頸長筋は自然治癒かも知れない。筋肉痛がないのは低負荷で走ったからではないか?等々といくらでも疑う事ができる。

私がこうして疑っているのは、インチキを暴く為ではない。できればホンモノであって欲しいと願うからこその疑いだ。だって、これがホンモノなら、こんなにスゴい整体院はないんだからね。また来月行こうと思う。今度は事前に自分の身体を徹底的に調べ、そして触診の時もしっかりと目を見開き、客観的に観察してやろうと思う。

この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君。

これは私の大好きな作家京極夏彦の「姑獲鳥の夏」に出てくる主人公中禅寺の超有名でクールな台詞だ。此度の整体院での体験を回想していると、この台詞が浮かんできちゃうんだよね。

=-=-=-=-=
Powered by Bilbo Blogger

2010/03/11

全然駄目を越えたメガ駄目を越えたテラ駄目

目を閉じて黙っていると、身体の痛んだ部分を何処か察知できる。熱を帯びているのが分かるのだ。臀部、内もも、胸筋の次は、上腕筋及び肩の筋肉痛ときたもんだ。いや~参った。やっぱ真面目に練習せにゃいかんね。

久しぶりに「グータロウSwim朝練会」に参加した。「グータロウSwim朝練会」というのは、スポーツインストラクター具志堅さんと、ご存知、白戸タロウさんの主催する練習会で、朝7時頃から9時頃まで結構ハードなメニューで泳ぎまくるとてもMな練習会だ。私はここの設立時からのメンバーなんだけど、昨年の後半から諸事情でお休みしていた。「久しぶり」というのはどれくらいかというと、実に4ヶ月。本当にえらい「久しぶり」だ。

練習開始時間から少し遅れてプールに到着。こっそり、さりげなく、気づかれないように参加しようとしたのだが、プールに入った途端「あ~ら、ゆうちゃん!」とタロウさんの叫び。それに続けて「おー久しぶりぃ」とか「太ったぁ」とか「生きてた?」とか「寝てないの?」とかとか、冷やかし半分の暖かい歓迎を受けた。ちょっと嬉しかったね。まったく皆イイ奴らだ。

アップのメニューが終了したところに参上したらしく、いきなりメインメニューから始めるハメになった。今日のメニューはピラミッド。分からない人に簡単に説明しよう。「ピラミッド」とは1本毎に距離を伸ばし、ある距離で今度は距離を縮めてゆく変則的インターバルトレーニングだ。例えば1本目を50M、2本目を75M・・・言う具合に25Mずつ距離を伸ばし、ある距離から今度は逆に25Mずつ距離を縮めていく。横軸を本数、縦軸を距離のグラフにするとピラミッドの形になるでしょ。だからピラミッドなんだな。当然インターバルだから1本毎のタイムが設定される。

今朝のピラミッドは25→50→75→75→50→25Mを1セットとして5セット行った。こっそり後ろについた私は初めの1本はかろうじてついていけたが、2本目から徐々についてゆけなくなり、最終的にインターバルタイムをフルに使って、つまり休憩なしで泳ぐハメになった。メリハリのない1500Mを1本やったようなもんだ。情けない・・・。

ランもバイクもそうだけど、練習を怠るとすぐに駄目になるね。練習会のエースG君とちょっと話したのだけど、スイムって1週間空けるだけで取り返せないぐらい駄目になるよね。ランやバイクと違って、日常の動きと違った動きをするからじゃないかと思うな。恐らくこれは正解だ。だからスイムは最低週2ペースで続けないといかんって事だよね。

今日駄目になっていた所は沢山あるのだが、特に致命的だったものを列挙しておこう。備忘録ってやつだ。

  1. 重心コントロールが出来ず、水中姿勢が悪かった
  2. キャッチとプルで水を掴めていない
  3. 左右のキックのバランスが悪い
  4. 何より筋力が落ちている

こうやって並べると全然駄目の域を越えているね。メガ駄目を越えたテラ駄目だ。ちびっこ水泳教室にでも通って1から出直さにゃいかんね。これら駄目の原因は単純で筋力不足に尽きる。上半身と下半身のバランスがなってないからなんだ。ここ4ヶ月帰宅JOGしかしてないからね。上半身がヘナチョコになってしまったんだよ。疲労骨折して走れなかった期間を取り戻すかのように走っていたもんな。ヤバい、ヤバい、走らなきゃ、ってさ。

そういう訳で、ムシゴロウは来月より(今月はまだ色々とやる事があるので)水泳も真面目に取り組む事をここに宣言する!去年は桜の咲く頃に疲労骨折して一年台無しにし、仕事でも色々なトラブルがあり、最悪な一年だったから、今年は充実した一年を送りたい。更に来週から、もう一つの長期休暇と取っていた練習会(実はこっちが本来私の所属)に復帰しようと思っている。こっちはロング専門のメニューだから「かろうじて」どころか、そもそも付いていけるかどうかも怪しい。

バイクもあったなあ。そろそろ始めなきゃ・・・。ロードバイクはチェーン、スプロケが外されたまま放置されてるし、TTバイクのトップチューブは物干しになってるw

追記:のむ太郎さんから先日のトレランの写真を頂いたので、前回のブログに貼ってみた。本当はもっと鮮明な写真もあったのだが、あのボケ方が実にスピーディーな感じで気に入ったので、あれを採用したのだ。見たい人は一つ前のブログを見て頂戴。あの風景の中で走りたくなるよ。

=-=-=-=-=
Powered by Bilbo Blogger

2010/03/10

所を捨てよ、山へ出よう!


仕事が早めに上がれたのに、街全体が食べ残しのかき氷みたいになっちゃってて走れない。ここ数日の天気は一体どうなっちまってるんだろね。北風と南風が日本列島をラインにして綱引き遊びでもしているようだよ。

土曜のトレランは思った以上に身体に負担をかけていたらしく、日曜、月曜と筋肉痛に苦しめられた。大殿筋の付け根、内転筋と、何故か大胸筋の筋肉痛。普通のJOGじゃあ筋肉痛にならない距離とペースなのに、こんなになっちゃうんだから、トレラン続けると強くなるわ。昨年、今泉選手がトラからトレランに転向した理由も何となく理解できるような気がするね。

山を走るのは昨年の人馬山トレイルレース以来だ。その時は疲労骨折明けのハイキング気分だったので何も感じなかったけど、今回は色々な事を感じ取る事ができた。オフシーズン、これから身体を作っていく謂わば未完成な状態だからこそ、鈍感な私でも感じ取る事が出来たのだと思われる。そして、それがトライアスロンに対して大変効果のあるトレーニング方法である、って事が何となく見えた、気がする・・・かな。

スイムもバイクもランも基本的に全身運動なんだけど、ある特定の部位に負担が集中するよね。で、満遍なく鍛えようとすると、かなりの意識が必要で、強制的に器具を使う必要も出てきたりする。だから私のような集中力のないダラダラ派は、結果偶発的によく駆使された筋肉だけ発達して、他がヘロヘロのままってのがオチなんだ。

強い筋肉と弱い筋肉。これが工業製品だと剛性の違う素材を組み合わせたハイブリッド素材なんて感じで恰好いいのだけど、人間の場合はそうはいかない。脳みそ社長はヒューマニストだから、弱いものの味方なんだよね。強い筋肉が「まだいける!」と言ったところで、弱い筋肉が「もうダメ」って言ってしまうと、優しい脳みそ社長は「はい、終わりぃ~」と号令をかけてしまうのさ。私の場合、筋肉の8割が「ヘロヘロ弱っちい」で出来ているから、脳みそ社長の中止命令も結構早めだ。弱い部位に足を引っ張られギブアップってのが常なわけ。

今回筋肉痛になった箇所に対し、意識して動かした記憶は全くない。つまり勝手にケツと内ももと胸を使っていた事になるんだよね。これ画期的だよね。私のようなカップラーメンの待ち時間しか集中力が持たない人間が、意識せずに鍛えられるんだから、トレランって超スゴくない?

山道を駆け下りるのは特に画期的だ。スピードに乗ると、ああだこうだと考える暇はないから、感じとった地形に対して即座に身体で反応するっきゃないじゃない。足場の悪い凸凹の道は踏み誤ると前後左右どちらに倒れるか分からないので、常にどの方向にも対応出来るように神経が研ぎ澄まされるんだ。内側で踏ん張れ!両腕を広げてバランスを取れ!てな具合に神経系が恰も意志をもった状態になっちまうんだろうね。

色んな方が色んな言い方で言っているんだけど、進化論的にそもそも人間は四足歩行だったから、身体を動かすに際に必ず全て四肢が使われる。だから強い選手ほど手足を上手く使っている、そうだよ。スイムならプルとキックのタイミング、バイクならハンドルを押す感じでのペダリング、ランなら腕振り、とかとか。「背中で走る」なんて表現をされる方もいらっしゃるなあ。動かし方の違いはあれど、同じ事を言っていて、つまり、上半身と下半身は繋がっているんだから、腕を動かす時は脚、脚を動かす時は腕を上手く使えよ、ってね。まあ、分かっちゃいるんだけど、上手く使えているかと聞かれると困るよね。

誰かが見ていてくれて、毎日何時間も練習が出来るのならすぐに上手くなれるだろうけど、我々勤め人が、アフター5と休日だけで、これを身につけるのは至難の技。よっぽどの集中力と精神力が必要だよね。そう言った意味で、トレランは我々日曜トライアスリートにとって大変有効な基礎トレーニング方法であると思うんだ。筋力、肺活量、瞬発力、バランス感覚を、おいしい空気と爽やかな景色を堪能しながら鍛えられるんだから最高じゃない。勿論、スイム、バイク、ランの技術も練習しようね。

温水プールでバシャバシャやってる君、大井埠頭でシャカシャカやってる君、皇居でスタタカやってる君、そんな所にいてもつまらないだろう。所を捨てよ、山へ出よう!



=-=-=-=-=
Powered by Bilbo Blogger

2010/03/08

洗えばイイってもんじゃない

高尾山口駅から高尾、城山を結ぶ稜線を一歩一歩気を遣いながら走る。泥濘んだ道は滑りやすく、深いパターンのソールも、無力に、引っかき傷のような足跡を地面に刻むだけだ。霧雨の高尾山トレイルラン・・・。

昨日、のむ太郎さんと合同練習と称して高尾山に行ってきた。早朝の空はどんよりとしていたが、気温が高かったので、予定通りトレイルを楽しむことにした。のむさんに車で迎えに来てもらい、途中マクドナルドで軽く食事を取り、2時間ほどで高尾山口駅に到着。

登山道入り口は予想に反し、登山者の色とりどりのウェアで賑わっていた。急勾配の階段、我々2人は登山者より少し速い足取りで上り始める。丸太を並べた階段が切れ、走れる道が顔を出した。のむさんが走り出す。私も追うように走り出す。この日、おNEWのトレイルシューズを履くのむさんは上機嫌だ。いいね!最高だね!と叫びながら山道を駆け抜ける。

あっと言う間に高尾山山頂に到着。ほどよい運動でお腹が良い具合に活性化した私はビジターセンターで用をたす。陣馬山まで行くか、城山までにするかを2人で話し合った。小雨で寒くないのだが、山の天気はどう転ぶか分からないし、最初の合同練習と言うことで、今日のゴールは城山までとした。

城山までの登山道は徐々に走り難くなっていった。雨で滑る泥濘みも走り難いのだが、私には丸太の階段の方が数倍走り難かった。丸太の階段は登山者の手助けはしてくれるが、我々ランナーには邪魔でしかない。自分のピッチ(歩幅)に合っていない間隔で配置された丸太を走るのはストレスが溜まる。しかも、よく滑る。

のむさんと私はどちらからともなく、登山道の柵の外側を走っていた。人が歩いていた形跡がなく草木が生い茂った場所は水捌けもよく滑らない。草に隠れた木の根に躓く恐れもあるが、注意深く走れば問題ない。何より、背の高い草や木の根を飛び越えて走るのが楽しい。まさにトレランらしい走りが出来る。

城山まであと数百メートルの急な坂道は川のように泥水が蛇行していた。子供の頃に観た、川が出来るまでの映像を思い出した。ここは焦らずにゆっくりと歩く。腿の付け根に軽く手を添え、脚にかかる負担を少なくする。前傾し過ぎないように、脚だけ登らないように、体重移動を上手く利用して歩く。

城山に到着。ここにはキノコの入ったインスタントラーメンのようなラーメンが食べられるという事で楽しみにしていたのだが、生憎の天候の為、小屋には誰もいなかった。仕方がなく、持参のポケット羊羹と水で我慢した。「仕方がなく」だったのだが、これが中々美味い。山では何でも美味しく感じるものだ。雨足が徐々に強くなる。ランニングバックに入れてきたモンベルのウィンドブレーカーを一枚羽織った。

下り中心の復路は楽しい。何箇所か嫌な丸太の階段があったが、往路で苦労した登山道を来たときの倍の速さで駆け降りられる。途中6号路(琵琶滝ルート)に入ったのが正解だった。スピード感がたまらない。気分は石川広樹だ。あっと言う間に高尾山口に到着。往復約18キロを3時間楽しんだ。晴れてればもっと楽しめただろう。

高尾山口駅前の水道で泥だらけの靴を洗う。靴洗い用のブラシが常備されているのは嬉しい限り。私はササっと泥を落とす程度で済ませたが、おNEWシューズののむさんは丁寧に洗っていた。背中と下半身が泥だらけなのに、靴だけを懸命に洗っているのを端から観察すると面白かった。

さーてと、ここから本編の始まりだよ!真面目に書いていると肩が凝っちゃうよ。

体中の汗と泥を落としに、風呂に行く事になった。目指す目的地は「高尾の湯ふろッぴィ」。スゴい名前でしょ。ひらがなとカタカナのミックス表記だ。通常入館料1800円は厳しいので、2時間で800円のエココースにした。まあ、汗流して飯喰うだけなのだから2時間もあれば十分でしょ。

大浴場にはファミリーバスに檜風呂、ジェットバスに薬湯風呂にスチームサウナ、水風呂、露天風呂と風呂だらけ。彦摩呂なら「お風呂の遊園地や~!」と叫んでいたに違いない。風呂の種類は豊富なのだが、肝心のお湯がぬるい。デジタルの水温計は40度を示していたが、表示より2~3度は低いんじゃないかと思われる。拍子抜けのお湯の所為もあるが、トレランで相当エネルギーを消費したらしく、普段は長風呂の私も空腹には敵わず、カラスの行水で風呂から上がり、大広間(大食堂)へ移動した。

お湯は☆1つ以下だったが、メシの方は・・・評価は止そう。ここはそう言う所ではないのだ。ここは所謂健康ランドってやつで、えらくデカい。風呂、レストルームは勿論のこと、整体院、各種エステ、大広間、宴会場、焼肉屋、ゲームセンターにカラオケルームと豪華絢爛大娯楽施設だ。日によっては有名ドサ回り歌手や地方営業中心の有名芸人のライブショーなんかあもあるらしく、壁という壁に、テレビでは中々見られない、紅白歌手の名前によく似た名前の演歌歌手や、見たことも聞いたこともない「人気上昇中」の芸人のポスターが貼っている。見ているだけで、何だか悲しい気分になってしまう不思議なポスターだ。

幸運にもこの日はショーが行われておらず、代わりに一般のご老人達が、ステージの上で自慢の歌声を披露し合っていた。これがまたすごいんだ。独特な手振りとステップで、爺さん婆さんがカラオケで盛り上がっているんだよ。しかも、色恋の歌詞を熱唱しているんだぜ。う~~んたまらない。何て言うのかなあ。昭和の公民館みたいな役割を果たしているんだろうね。

そんな感じで2時間が過ぎ、のむさんと私は帰路についた。トレランの感想や今後の練習の仕方など色々な話で盛り上がり家に到着。私はすぐさま汗と泥にまみれたウェアを洗濯機に放り込む。バックパックも何となく塩っぱい感じがしたので洗濯ネットに入れ洗う事にした。

いつの間にか寝ていたようで、気がつけくと深夜1時を回っていた。ノドが渇いていた。近所のコンビニで飲み物を買ってこようと服を着る。

あれ?財布がない。ズボンのポケットにも、テレビの上にも、着替えを入れていたカバンの中にも、考えられる全ての場所を探したが見当たらないのだ。落とした・・・。あの財布にはキャッシュカードを初め、クレジットカード、免許証、保険証と私の全てが入っている。ヤバい!

のむさんの車に置き忘れてきたのか?しかし、こんな深夜に連絡するのは非常識だ。私は「おはよう!」から始めるメールに、財布をなくした旨を書いて送信した。さあ、クレジットカード、キャッシュカードの停止だ。インターネットで、銀行とカード会社の電話番号を調べ、電話をかける。即座に出てくる女性オペレーターの声。こんな深夜でも対応しているなんて働きものだねえ。しかも優しい声だ。

本人確認と失くしたであろう場所や時間帯等の質問に答えると、間もなく私のカードは無効化された。再発行に10日から2週間を要するという。この期間カードでお金をおろす事も買い物もできない。なんて不便なんだろう。しかし仕方がない。悪いヤツに拾われてお金を引き出されたり、インターネットで買い物をされてしまっては元も子もない。同じ処理を2つの銀行とクレジット会社に対して行った。どっと疲れた。明日は警察に紛失届けをしにいこう。

翌朝、メールの着信音で目を覚ます。のむさんからのメールだ。車にはなかったらしい。明るくなってから再度探してくれると記されていた。

来年か再来年に海外の大会に出ようと密かに始めた500円貯金箱。缶切りで開けようか悩む。結構イイ所まで貯まっているから開けるのは惜しい気がする。そこで私はほぼ使いきっているQUOカードにハサミを入れ、貯金箱の入り口に差し込み、500円玉を抜き出す作戦にでた。貯金箱を軽く振り、上手くQUOカードに乗った500円玉をそっと引き抜くのだ。これがなかなか上手くいかない。QUOカードがやわらか過ぎるからだ。貯金箱と格闘の末、3枚の500円玉の救出に成功した。これでメシが喰える。

一人でニヤつきながら500円玉をみていると、のむさんが心配をして電話をかけてきてくれた。やはりなかったとのこと。のむさんの電話で現実に引き戻された。私には、やり残しの事、やらねばならぬ事が沢山あった。順に片付けていこう。先ずは洗濯物だ。

洗濯機のフタを開ける・・・おや?あっちゃ~!なんてこったぁ!洗濯物の一番上で、ずぶ濡れの財布が私を嘲笑っていた。一度停めたキャッシュカード、クレジットカードは再発行されるまで使えない。

=-=-=-=-=
Powered by Bilbo Blogger

2010/03/01

事実には表と裏があるってもんだ

こんにちは、正義と愛と真実の男、ムシゴロウです。

当分更新するつもりはなかったのだけど、あるブログに触発されて緊急更新する事にした。今日の、このタイミングで緊急更新と言うことはアレしかない。そう、勘の良い人ならもうお分かりだろう。

とりあえず、腰の重い私にブログを書かせる契機を作ったブログを読んでもらいたい。私の友人e1128さんのブログ『hot run 歩くような速さですが』だ。

『合同練習・・・・』

では、気を取り直して・・・


『合同練習・・・B面』

2月27日6時ジャスト、目覚ましの音に起こされる。

寝足りないと思いながら、耳をすます。カーテン越しに聞こえる雨音。少しがっかりした。何故なら、今日はeさんとの合同練習の日だからである。数日前「雨が降っても練習するのか」とeさんに尋ねられた時、私は大会が雨天決行である事を理由に「多少の雨ならやる」と返答した。外は「多少の雨」だった。

eさんに電話をかけようと携帯電話を手に取った。電話帳を開きeを検索・・・。この時、私はある重大な事を思い出した。eさんには家族がある。そして彼は家族思いの子煩悩な父親である。もしも今日の雨の練習で彼が風邪をひいたらどうなる?もしも今日の雨の練習で彼が濡れた地面に足を滑らせ捻挫したらどうなる?彼の身体は彼一人のものではないのだ。だから彼を雨の練習に誘ってはいけない。しかし一緒に練習出来る機会はめったにないぞ。いや彼に何かあったら家族はどうなる?いやいや大会まで時間はないんだ。だめだ、彼の家族の悲しみの顔が脳裏に浮かぶ。今度の大会は今年一番の大会なんだぞ・・・バタン。突然、身体全体の力が抜け、私は床に倒れた。肩に何かが取り憑いた・・・

「公園管理事務所ですけど」私の口からでる初老の女性の声。誰だ?!私の身体に憑いたのか!出ていけ!叫んでいるのだが声が届かない。「eさん、そいつはオレじゃない!」届かぬ声。そう言えば、私の遠縁の親戚の知り合いの知り合いはイタコだったなあ。まさか・・・。

私に憑いた「それ」は、ペラペラと雨天中止の旨を語り出した。反論するeさんの声。饒舌に語る初老の女性の声。私は何も出来ず、ただ、その遣り取りを聞いている事しか出来なかった。結局、自主トレとなり、翌日バナナペローンを入れ3人で練習する事になった。私に憑いた「それ」も気を利かせてくれたらしく、多少の雨ならばやる、と言うことにしてくれた。


『合同練習・・・おまけ』

2月28日7時ジャスト、目覚ましの音に起こされる。

たっぷり寝たので目覚めはスッキリだ。カーテン越しに聞こえる雨音。今日も雨か・・・バタン。突然、身体全体の力が抜け、私は床に倒れた。また「それ」が取り憑いた・・・


今日も合同練習を「それ」に邪魔されちゃったよ。やっぱイタコの血筋なんだろうね。私は東京マラソンの中継を観ながら、私に憑いた「それ」の事を考えていた。「それ」の邪魔には悪意はない。悪意どころか、寧ろ「愛」を感じる。eさんの家族の事を思い、雨天決行と言う私の鬼の決断を止めてくれたのかも知れないね。猫ひろしがゴールした。ノッチさんもゴールだ。お笑い芸人には興味がないが、ああいう姿を観ると感動するね。続々と流れるゴールシーン。いいなあ東京マラソン。

25キロ関門でリタイヤして悔しがる選手の映像をでちょっと不快になった。「だったら練習してこいよ、練習しないで出場するなよ」と独り言をいい、テレビを切った。近所を軽くJOGってきた。キロ6分で2時間半。いい汗かいたなあ。ああ、今日もバカな事書いちまった。